@article{oai:tamagawa.repo.nii.ac.jp:00001213, author = {太田, 明}, issue = {60}, journal = {玉川大学文学部紀要}, month = {Mar}, note = {この研究の目的は,レオナルド・ネルゾンの批判哲学とそこから導かれる民主主義批判の論理を明らかにすることである。  ゲッチンゲン大学の哲学者レオナルド・ネルゾンは講演「ソクラテス的方法」(1922)で新しい対話法を明らかにした。しかしその当時,ネルゾンは民主主義批判の急先鋒の一人であった。  しかし,今日的観点からすれば「対話」は,力による激しい闘争を回避して平和裡に,そして単なる妥協ではない交渉を行う方法とみなされている。しかも,参加者の発言における平等の権利を保障し,議論を経て合意に至るという点で「民主主義的」方法である。したがって,ネルゾンの言行には不整合が感じられる。しかし,ネルゾンの倫理学理論は,ここには不整合はなく,むしろ完全に整合的であると主張する。  本研究では,まずネルゾンの批判哲学と批判的倫理学体系を概観する。その後に,この倫理学体系からどのように反民主主義が導かれるかを検討する。ネルゾンの政治理論は,普遍的に妥当する「法理想」(Rechtsideal)が存在すると想定した。これは「法治国家」(Rechtstaat)が形成されて初めて実現する。しかし法治国家は法理想に関する理解度が異なる人々による多数決原理としての「民主主義」とは相容れず,むしろ「指導者原理」による賢者の支配によって替わられねばならないというのである。  この論理の跡を追求した後に,第二次大戦後に民主主義を支持したネルゾンの後継者たちが指摘したネルゾンの倫理学理論の難点を検討する。それによって,ネルゾンの理論は,公共生活における哲学の実践化を志向しながらも,整合性を追求するあまり,経験に開かれれていなかったことが明らかになる。}, pages = {71--96}, title = {レオナルド・ネルゾンと〈理性の自己信頼〉(6)―批判哲学と民主主義批判―}, year = {2020} }