@article{oai:tamagawa.repo.nii.ac.jp:00001352, author = {菊池, 里映}, issue = {11(臨時増刊号)}, journal = {玉川大学教師教育リサーチセンター年報}, month = {Jul}, note = {保育は、遊びを通して子どもの主体的な活動が保障される営みである。しかし、その実現には常に葛藤と困難が伴う。子どもの主体性を捉える大人(保育者、養育者)と、子どもとの関係が非対称であるため、大人の思いを一方向的に子どもに押し付けたり、逆に、無意図的な環境の中で子どもを自由にさせていることを主体性の尊重とする姿も多くみられる。これに対して、具体的にどのような視点で子どもの主体性を捉えることができるのかが示される必要があった。  このことから本稿では、発話を始めた乳児を研究対象とし、研究対象児の主体的な行動がどのように捉え得るかを考察した。具体的には、生後間も無くから縦断的にデータ収集をしているあい(仮名。本研究でのデータは1歳3ヶ月時)と、その母親、父親それぞれが絵本を一緒に読む姿について観察・分析した。その結果、主体性は、乳児が身を置く環境、特に人的環境(あいとあいの両親との関係性)において、多層性をもって出現することが明らかになった。これは、あいと両親それぞれが両者間の同調的な関係性を基盤として様々な活動をしてゆく中で集合的記憶が蓄積され、それが共同想起されるということである。ここでは、この運動の繰り返しの過程であいが集合的記憶を内化し、それがあいの主体的な行動となる様子も観察された。乳児保育は一人の保育者対少人数の乳児を前提とされており、一対一関係の分析で得られた知見は保育への思考として援用できる。このことから、保育において子どもの主体的な行動を願うのであれば、安定した人的環境において同調性を高めることをその基本と考える必要があり、個々人の能力にその責任を帰することは不安定な保育環境を構想することにもなり得ることが示唆された。}, pages = {31--44}, title = {1歳児の絵本読み場面における主体的行動―モノ・人・子どもの関係に蓄積される集合的記憶の想起―}, year = {2021} }