@article{oai:tamagawa.repo.nii.ac.jp:00001361, author = {瀬沼, 花子}, issue = {11}, journal = {玉川大学教師教育リサーチセンター年報}, month = {Dec}, note = {本稿の目的は、昭和16年に発行された小学校1・2年生用の算数の国定教科書『カズノホン』の特徴を、実世界と結びついた算数・数学教材の観点から明らかにすることである。そのため次の3つを取り上げる。(1)実世界と結びついた算数・数学、(2)『カズノホン』の位置づけ、(3)『カズノホン』教材の『児童用』『教師用』(以上、文部省)、『カズノホン取扱上の注意』(台湾総督府)の実世界の観点からの考察。  (1)はなぜ実世界に着目するのかを筆者の研究や経験をもとに(2)(3)に連なる問題意識を述べたものである。(2)と(3)は今回新たに分析を行ったもので、主な知見は次の通りである。(2)『カズノホン』は、名称が算術から算数になった時期の最初の教科書であり、『尋常小学算術』の数理思想を引き継ぎ、かつ、図形の直覚的・動的扱いという新しい試みを含んでいる。(3)『カズノホン教師用』には、算数・数学教材を実世界の事物と結びつけた「事物分類表」が掲載されている。『尋常小学算術教師用』の「事物分類表」と比較すると「気象」、「人物」、「物」の細分枠「作品」が加わっている。算数・数学の問題の出し方の工夫、作品作りなど数学的活動を取り入れることが示唆される。『カズノホン』著者の前田は、当時の教材はなくなっても日本人の生活の中には折紙遊びやひもや水引の結び方など豊かな図形教材が残っているとしている。『取扱上の注意』は台湾の実情に合わせた注意事項(風呂にバケツで水を入れる文章題は皮膚病の改善の視点に、しで作りは清浄と敬虔な態度に)に加え、黄金比など数学的な背景の詳細な解説もあり、異なる国での算数・数学教材と実世界の結びつきの在り方が示唆される。}, pages = {33--46}, title = {実世界と結びついた算数・数学教材の展望―国定算数教科書『カズノホン』を中心に―}, year = {2021} }