@article{oai:tamagawa.repo.nii.ac.jp:00000407, author = {中村, 哲 and 西村, 幸子 and 髙井, 典子}, issue = {4}, journal = {玉川大学観光学部紀要}, month = {Mar}, note = {日本では近年,急成長中の訪日外国人旅行に重きが置かれ,低迷している国民の海外旅行についてはあまり注意が払われていない状況にある。この中で,日本人の海外旅行市場を活性化するためには,政策立案および具体策実施に有用な研究が必要である。そこで本稿では,観光行動研究の立場から,旅行するか・しないかの一般的意思決定に至る心理的なプロセスを示す,理論的なモデルを提案し,検証することを試みる。  提案するモデルは,筆者が日本人の若者の海外旅行に焦点をあてて構築した「海外旅行の実施頻度に関する動態的循環モデル」を改良したものである。新しいモデルは大きく2つのプロセスから構成されている。前半は旅行への「行動意図」に影響を与える要因である「過去の渡航経験」「自己効力感」「関心」「動機づけ」が含まれている。後半は「行動意図」から「旅行実施」に至るプロセスが示されている。モデルは循環的なものではなく,連続的なプロセスとなっている。  このモデルを検証するために,20 ~ 69歳の日本人を対象としたインターネット調査を実施して得たデータを使用した(有効回答1,938名)。同一の回答者に対して6 ヶ月の間隔を置いて実施する縦断調査を採用しており,第1回調査において海外旅行への「行動意図」を持つと回答した人が,6 ヶ月後の第2回調査までの間に「旅行実施」をしているのかを把握することが可能となった。  構造方程式モデルにより検証を行ったところ,良好な適合度を示したモデルは,「行動意図」と「旅行実施」の間に知覚した阻害要因への「すり合わせ努力」を加えたものであった。また,このモデルのすべてのパスは有意なものであった。この結果により,一般的意思決定のプロセスをある程度説明することが可能となり,「行動意図」を形成している場合,知覚している阻害要因を克服する「すり合わせ努力」を行うことで「旅行実施」につながると考えることができる。一方,モデルの決定率が必ずしも高くはなく,「行動意図」それ自体で実際の行動を完全に説明することが困難であることも示され,この点は既存の研究と一致するものであった。  今後の研究課題として,職業や家族ライフサイクルなど,異なる母集団間での比較がある。また,日本国籍ではない母集団にこのモデルを適用できるのか否かを検証することも求められる。}, pages = {1--19}, title = {日本人の海外旅行の一般的意思決定に関するモデル}, year = {2017} }